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全国医学部長病院長会議が地域枠の調査を実施
地域枠学生の学力は一般枠学生と同等
卒後キャリア支援は半数近くで不十分

 全国医学部長病院長会議は3月16日に記者会見を開き、全国で設けられている地域枠制度の実態調査の概要を報告した。2015年度時点で地域枠制度を導入している大学は全国77大学中67大学で、地域枠入学者定員数は1248人に上ることを明らかにした。加えて、地域枠の入学者の学力は一般枠と比べて遜色ないこと、卒後のキャリア支援体制が整っていない大学が半数近くあることも示した。

 本調査は、地域の医療を担う医師を養成し、地域偏在を解消するために導入された「地域枠」制度の実効性を示すことを目的に、文部科学省受託事業として同会議が実施したもの。

 調査により、2015年度時点で医学部のある全国77大学中67大学が地域枠制度を設けており(各大学平均18.6人[最小3人、最大90人]の定員枠)、一方で中大都市部にある10大学には制度がないことが明らかになった。地域枠入学者定員は1248人に上っていた。

 奨学金の有無や義務履行年限の違いなど、地域枠制度の内容は大学や自治体ごとによって大きく異なる。そのため、同調査では地域枠制度を以下の3つに大きく分類し、調査を進めた。

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