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JAMA Ophthalmology誌から
PD-1/PD-L1阻害薬の有害事象に脈絡膜滲出症
米国の症例報告で、使用中止後に症状改善

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 免疫チェックポイント阻害薬であるPD-1/PD-L1阻害モノクローナル抗体の主な有害事象としては、皮膚や内分泌系、消化器系の炎症などが知られている。米Michigan大学のMerina Thomas氏らは、抗PD-1/PD-L1抗体の投与開始後に脈絡膜滲出症を発症した3症例に関するケースシリーズ研究の結果をJAMA Ophthalmology誌電子版に2018年4月12日に報告した。

 脈絡膜滲出症には、特発性のものと、外傷や薬剤に誘発されるもの、また、炎症によるものがあるが、抗PD-1/PD-L1抗体の有害事象としても発生しうることが示唆された。自己反応性T細胞の阻害にPD-1経路が役割を果たすことから、PD-1経路の阻害は炎症を引き起こす可能性がある。

 1例目は、転移性肺腺癌で、アテゾリズマブ(抗PD-L1モノクローナル抗体)の投与を2回受けていた68歳のアフリカ系米国人男性患者だった。左眼にかすみと充血が現れ、悪化したため、アテゾリズマブの初回投与から1カ月後で、2回目の投与から3日後となる日に受診した。受診時の視力は、右眼が20/25、左眼は20/150だった。

 左眼の結膜に充血が認められ、角膜内皮にびまん性の変化が生じており、前房内細胞は、国

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