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「紙一重」という言葉は“紙一重”

2011/04/22
津久井宏行

 とあるクリニックで、高度な僧帽弁狭窄症の高齢女性患者さんとその娘さんに出会った。娘さんは「実は、先日、その腎臓内科の先生の診察を受けたのですが、『これは末期の心不全ですね』と言われたんです。あんな風にストレートに『末期』と言われたのは初めてでした。ここの院長先生には、『紙一重の状態だ』とは言われていたけれど…」と打ち明けてくれた。母親思いの娘さんは、「末期」という言葉が、相当ショックだったらしい。

著者プロフィール

津久井宏行(東京女子医大心臓血管外科准講師)●つくい ひろゆき氏。1995年新潟大卒。2003年渡米。06年ピッツバーグ大学メディカルセンターAdvanced Adult Cardiac Surgery Fellow。2009年より東京女子医大。

連載の紹介

津久井宏行の「アメリカ視点、日本マインド」
米国で6年間心臓外科医として働いた津久井氏。「米国の優れた点を取り入れ、日本の長所をもっと伸ばせば、日本の医療は絶対に良くなる」との信念の下、両国での臨床経験に基づいた現場発の医療改革案を発信します。

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