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第6回
岐路に立つエイズ対策と国連合同エイズ計画

2011/05/31
江副聡(国連合同エイズ計画)、喜多洋輔(世界保健機関)、 鷲見学(世界保健機関)

 2011年は、1981年に「エイズ患者」がはじめて報告されてから30年目を迎える。また、1996年の「国連合同エイズ計画(UNAIDS)」の設立からは15年目、世界各国の首脳が国連本部でエイズとの闘いを宣言した2001年の「国連エイズ特別総会」からは10年目の節目でもある。この間、人類は英知を結集してエイズに立ち向かってきた。そうした中で、2011年6月8日~10日に「国連エイズ特別総会ハイレベル会合」が開催され、各国の代表やNGOの参加のもとで、これまでの対策や「ユニバーサルアクセス」を含む目標の達成度合いを総括し、今後の世界のエイズ対策の方向性を議論することになっている。

 今回は、グローバルヘルスが医療のみならず、政治的にも注目をあつめる原動力となったエイズ問題についてまとめる。なかでも、WHO(連載第1回)や世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)(連載第4回)などと一緒に世界のエイズ対策を推し進めてきた、「国連合同エイズ計画(UNAIDS)」について詳しく述べたいと思う。

著者プロフィール

ジュネーブの国際機関に勤務する日本人職員が有志で集まり、持ち回りで執筆していきます。なお、本記事内の意見部分は筆者らの個人的見解であり、所属組織の公式見解ではありません。

連載の紹介

ジュネーブ国際機関だより
WHO(世界保健機関)やUNAIDS(国連合同エイズ計画)などスイス・ジュネーブの国際機関で日々議論されている世界の保健医療(グローバルヘルス)の課題を、現地の日本人職員がリアルタイムに日本の医療関係者に伝えます。

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