全国で約29万1000人まで増加した透析患者の生命予後を改善し、QOLを向上させるためには何が必要なのか、患者予後を向上させるために透析導入前にどのような対策が必要なのか――。この問に対する答えを求めて、第56回日本透析医学会学術集会・総会(会長;昭和大学の秋澤忠男氏)が6月17日、横浜で開幕する。今大会も日本腎臓学会との連携で、「Japan Kidney Week 2011」(JKW2011)の一環として開催される。
JKW2011は、「挑戦する腎臓学、変革する透析医学」をスローガンに掲げ、前半は主として腎臓学に、後半は主として透析医学に焦点を当てたプログラムが展開される。透析医学・腎臓学について幅広い視点での研究成果を発表し合い、相互に議論し、わが国の透析・腎臓病患者にかかわる基礎・臨床医学の向上と関連学問の進歩、さらには会員の教育・研修に資することを目的としている。
今年で第56回を数える日本透析医学会学術集会・総会では、19日までの3日間に一般演題をはじめ、特別講演、教育講演、シンポジウム、ワークショップ、パネルディスカッション、共催セミナーなど多数のプログラムを予定している。特に、日本腎臓学会との共催シンポジウムとして「Late breaking clinical trial」と「CKD-MBD診療ガイドライン」を開催するほか、3月11日に発生した東日本大震災を受け、急遽、合同緊急企画「東日本大震災と透析医療:被災地からの報告」と「東日本大震災と透析医療:支援地からの報告」を実施するのも大きな特徴の1つだ。震災難民の最たるものである透析患者らを、被災地の医療関係者は如何にして守り抜いたのか、被災地以外の医療関係者はどのようにして支援の手を差し伸べ、それを持続してきたのか、その真実が語られる。
15のシンポジウム、10のワークショップのほか、10の学会・委員会企画も予定されているほか、教育講演とよくわかるシリーズの講演もそれぞれ9件ずつ盛り込まれており、プログラムは充実した内容になっている。
ガイドライン関連のセッションも目白押しで、日常診療に直結する数多くのテーマについて多角的な議論が展開される。
(日経メディカル別冊編集)
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