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厚労省の「医薬品・医療機器等安全性情報」
インフルエンザHAワクチン、ダビガトランなど4種類の添付文書が改訂

 厚生労働省は9月28日、医薬品・医療機器等安全性情報の第283号を発行した。

 今回、「重要な副作用等に関する情報」が掲載されたのは、8月9日および8月12日に改訂が指導されたインフルエンザHAワクチン(商品名インフルエンザHAワクチン“化血研”TF、インフルエンザHAワクチン「北里第一三共」、インフルエンザHAワクチン「北里第一三共」シリンジ、インフルエンザHAワクチン「S北研」、インフルエンザHAワクチン「生研」、Flu-シリンジ「生研」、「ビケンHA」、フルービックHA、フルービックHAシリンジ)、サリドマイド(商品名サレドカプセル50、同カプセル100)、ドキソルビシン(非リポソーム製剤)(商品名アドリアシン注用10、同注用50、ドキソルビシン塩酸塩注射液10mg「サンド」、同注射液50mg「サンド」、ドキソルビシン塩酸塩注射用10mg「NK」、同注射用50mg「NK」)、ダビガトラン(商品名プラザキサカプセル75mg、同カプセル110mg)の4種類。

 インフルエンザHAワクチンは2008年4月1日から2011年3月31日までの間に、因果関係が否定できない副作用として皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)が1例、血管炎が6例報告され、血管炎(アレルギー性紫斑病、アレルギー性肉芽腫性血管炎、白血球破砕性血管炎など)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)が添付文書の重大な副反応に追加された。

 インフルエンザHAワクチンの使用者数は、推計で年間4944万人。

 サリドマイドは2009年2月の販売開始から2011年6月17日までの間に、因果関係が否定できない副作用として脳梗塞が4例、心不全が3例、間質性肺炎が6例、肺塞栓症が3例報告され、添付文書の警告に「肺塞栓症を引き起こすおそれがある」という文言が追加された。このほかに、肺塞栓症、脳梗塞、間質性肺炎、心不全、不整脈が添付文書の重大な副作用に追加された。

 サリドマイドの使用者数は、推計で年間3000人。

 ドキソルビシン(非リポソーム製剤)は2008年4月1日から2011年6月14日までの間に、本薬との因果関係の判定は困難なものの、否定できない副作用として間質性肺炎が報告された。今回はそのうちの2例が掲載され、「間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には胸部X線や胸部CTを実施すること。間質性肺炎が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと」という文言が添付文書の重大な副作用に追加された。

 ドキソルビシン(非リポソーム製剤)の使用者数は、推計で年間約2万5000人。

 ダビガトランは2011年3月の販売開始から2011年8月11日までの間に、因果関係が否定できない副作用として出血が5例(うち死亡5例)報告された。添付文書には重大な副作用として、消化管出血、頭蓋内出血などの出血が記載されたほか、警告として以下の文章が追加された。

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