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【地域医療の現場から 第8回◆日経メディカル7月号特集連動企画Vol.1】
「私は怪文書で島を離れました」
沖縄県立那覇病院付属座間味診療所前院長 饒波 保 氏

 日本全国を席巻している医師引き揚げの嵐は、地方自治体立の病院を瀬戸際まで追い詰めている。長年積み重なった病院の赤字に、自治体の財政難が追い打ちをかける。『日経メディカル』7月号特集「自治体病院の末路」では、存亡の危機にある自治体病院の現場を取材し、その将来像を探った。その連動企画として、自治体病院に勤務する医師のインタビューを連載する。

 1人目は、那覇市から高速艇で約1時間の座間味島にある沖縄県立那覇病院付属座間味診療所で、院長を9年間勤めた饒波保(のは たもつ)氏。座間味島は、ホエールウォッチングやダイビングで観光客を集める、沖縄県の離島だ。座間味診療所は、島唯一の医療機関。饒波氏は6月3日、夏の観光シーズンを前に島を離れた。離任前に後任は決まらず、島はしばらくの間、無医島となった。饒波氏は、なぜ島を離れたのか――。地域に医師がとどまらない理由の一つとして、住民との距離感の問題が挙げられる。その辺りを中心に、饒波氏に思いを聞いた。(編集部)


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