心疾患の症状が特にない人に、毎年定期的に心電図検査をする。内科の外来ではごく一般的に思えるが、米国家庭医療学会(AAFP)はグレードD、すなわち「行わないよう推奨する」との判断を下している。
その理由として勧告には、「無症候で低リスクの患者から冠動脈の狭窄を見つけることが、患者のアウトカムを改善するとのエビデンスはわずかしかない。偽陽性が出た場合、不要な侵襲的処置や過剰治療、誤診につながり、潜在的な害が利益を上回る」と記載されている。
ここでいう低リスクの患者とは、フラミンガムスコアによる10年間の冠動脈疾患発症リスクが10%未満の患者を指す。勧告のソースとして提示された米国予防医療作業部会(USPSTF)の心電図検査に関するエビデンスリポートには、定期的な検査を推奨しない理由が表3のように記載されている。
日経メディカル2012年9月号「特集 その検査、ホントに必要?」
日経メディカル2012年9月号「特集 その検査、ホントに必要?」転載 Vol.5無症候で低リスクの患者には心電図スクリーニングを行うな【循環器疾患(その1)】
2012/09/13
野村和博=日経メディカル新規に会員登録する
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