国立感染研究所がまとめている抗インフルエンザ薬耐性株サーベイランス(3月22日時点)によると、2012/13シーズンのタミフル・ラピアクタ耐性株は、A(H1N1)pdm09で5.0%と近年にない高さとなった。2009/10シーズン以降、1.0%、2.0%、0%と推移していた(表1)。
今回確認された耐性株(2株)は神奈川県横須賀市健康安全科学センターからの報告で、2013年第5週と6週に採取された検体によるものだった。
A(H1N1)pdm09においては、リレンザ、イナビルでは耐性株が検出されていない。一方、アマンタジンは100%が耐性株だった。
A(H3N2)では、アマンタジンが100%だったほかは、タミフル、ラピアクタ、リレンザ、イナビルでは耐性株は検出されなかった。B型でも、タミフル、ラピアクタ、リレンザ、イナビルでは検出されなかった。
総解析株数 | 耐性株数 | % | |
■ 2009/10シーズン | |||
タミフル/ラピアクタ | 8145 | 79 | 1.0% |
リレンザ | 694 | 0 | 0% |
アマンタジン | 7 | 7 | 100% |
■ 2010/11シーズン | |||
タミフル/ラピアクタ | 3844 | 78 | 2.0% |
リレンザ | 256 | 0 | 0% |
イナビル | 256 | 0 | 0% |
アマンタジン | 99 | 99 | 100% |
■ 2011/12シーズン | |||
タミフル | 9 | 0 | 0% |
ラピアクタ | 9 | 0 | 0% |
リレンザ | 9 | 0 | 0% |
イナビル | 9 | 0 | 0% |
アマンタジン | 9 | 9 | 100% |
■ 2012/13シーズン | |||
タミフル | 44 | 2 | 5.0% |
ラピアクタ | 44 | 2 | 5.0% |
リレンザ | 44 | 0 | 0% |
イナビル | 44 | 0 | 0% |
アマンタジン | 7 | 7 | 100% |