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パンデミックに挑む

中国のH7N9型鳥インフルエンザ、感染者は33人、死亡は9人に

中国H7N9型鳥インフルエンザ感染は、4月10日に新たに5人の感染者が確認され、3月31日からこれまでに感染者は33人、うち死亡が9人となった。1日当たりの確認例は、4月5日に5人と最多だったが、6日と7日は2人ずつと減っていた。しかし、8日、9日はそれぞれ4人、さらに10日には再び5人と増加傾向にある(図1、表1)。

図1 中国のH7N9型鳥インフルエンザの推移

 4月10日までに新たに確認された感染者は、上海市で2人、江蘇省で2人、浙江省で1人だった。また、江蘇省と安徽省では確認例で治療中だった患者が2人、4月9日に亡くなった。

 上海市は4月10日、新たに2人のH7N9型鳥インフルエンザ感染例が確認されたと発表した。患者は76歳女性と81歳女性。2人とも治療中で、症状は安定しているという。これで上海市の感染例は15例、うち5例が死亡となった。

 76歳女性は4月1日に咳やのどの痛みなどの症状が現れた。4月2日に39度の発熱。4月5日に華山医院を受診し肺炎と診断された。4月9日に検査でH7N9型鳥インフルエンザウイルス陽性となり、感染例と確認された。患者の病状は安定している。濃厚接触者は4人把握されているが、これまでのところ異常は見られていない。

 81歳女性は4月4日に下痢、発熱などの症状を訴え、浦東医院を受診し急性腸炎と診断された。病状が回復せず、同医院を再度受診。肺炎と診断された。4月9日の検査でH7N9型ウイルス陽性となり、感染例を確認された。病状は安定している。5人の濃厚接触者が把握されているが、これまでのところ異常は見られていない。

 江蘇省衛生庁は4月10日、新たに2人のH7N9型鳥インフルエンザ感染例が確認されたと発表した。患者は70歳男性と74歳男性。2人とも治療中だが、重体だという。

 70歳男性は3月29日に発症。4月10日に感染例と確認された。現在、危篤状態にあるという。18人の濃厚接触者が把握されているが、これまでのところ異常は見られていない。

 74歳男性は4月2日に発症、同じく4月10日に感染例と確認された。現在の病状は比較的に重いという。こちらは13人の濃厚接触者が把握されているが、異常は見られていない。

 また江蘇省衛生庁は4月10日、4月2日にH7N9型鳥インフルエンザ感染例と確認されていた83歳男性が4月9日に死亡したと発表した。同省ではこれまでに感染者が10人、死亡が1人となった。

 浙江省衛生庁は4月10日、新たに1人のH7N9型鳥インフルエンザ感染例が確認されたと発表した。患者は65歳男性で現在、杭州市内の医療機関で治療を受けている。病状は安定しているという。これで浙江省の感染者は6人、うち死亡は2人となった。

 なお、安徽省で3月15日に感染が確認されていた35歳女性が4月9日に死亡している。

表1 中国での鳥インフルエンザH7N9型ウイルスのヒト感染例の推移

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