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進行乳癌の女性の多くは患者支援活動に対して疎外感を感じているとの調査結果

2013/05/24
野中希=医学ライター

 世界12カ国、1273人の進行/転移性乳癌女性を対象とした大規模アンケート調査の結果が5月21日に報告され、乳癌の啓発や支援活動が広がっているなかで、進行した乳癌患者の多くは乳癌支援活動から疎外されていると感じていることが明らかになった。

 米Novartis Oncology 社による"Count Us, Know Us, Join Us" survey と呼ばれるこのインターネット調査は、2012年10月8日から2013年3月15日の期間中に進行/転移乳癌女性を対象に実施された。

 初期乳癌(ステージ1/2)では治癒を目指して治療に取り組めても、転移/進行乳癌(ステージ3/4)では、徐々に治療薬の効果が消失、または治療しても疾患の進行を繰り返すことが多く、治療の意味も変化していく。進行乳癌の女性は、進行乳癌に特化した独自の情報とサポートを強く希望していることが今回の調査で示された。

 調査結果によると、進行乳癌女性の4人に3人は積極的に自分で情報収集をしていると答えた。そのうち半数以上の女性は、自らが必要とする情報に遭遇できないと感じていた。また、3分の2の患者は、自分たちの直面している境遇を理解してくれる人がいないと感じているという。

 実際、進行乳癌患者の10人に4人が、乳癌の啓発活動は検診や予防、初期乳癌や治癒を目指した治療などを強調するものが多く、疎外感を感じると答えた。

 77%の患者は自分で情報を探しており、45%の患者が進行乳癌の情報を入手するのは困難だと回答、55%の患者がほとんどの情報は自分が必要とするものと合致しない初期乳癌に関するものだったと答えている。

 情報の欠如や疎外感に加え、41%の女性は友人や家族からのサポートは次第に減少していくと回答。興味深いことに、一部の女性はこうした状況を打破して独自の支援ネットワークを作るという。さらに、半数近く(45%)の女性が、進行乳癌と診断されたことがきっかけとなって、ボランティア活動や、進行乳癌のための活動に貢献していた。

 その他、次のような解析結果が得られた。

【医療者側からのサポートと情報提供について】
・80%の女性が、主治医から十分なサポートを受けていると回答した。
・76%の女性は医療従事者に対し、精神面でも支援をしてほしいと考えていた。
・35%の女性が、進行乳癌女性向けに、性的興味の低下に関する情報を提供することは重要だと答えた。

【友人や夫婦関係について】
・40%の女性が、進行乳癌の診断は配偶者またはパートナーとの関係に大なり小なり影響を与えたと回答した。
・その一方、ほぼ全員(87%)が、配偶者またはパートナーから十分なサポートを受けていると答えた。

【職場や仕事について】
・57%の女性が、同じ職場で働く同僚ほぼ全員が自分の疾患について知っていると答えた。
・69%の女性が、進行乳癌により、収入の減少など、仕事の能力が妨げられたと回答した。

 1273人の国別の回答数は、米国(349人)、カナダ(55人)、メキシコ(102人)、ブラジル(100人)、アルゼンチン(100人)、英国(66人)、ドイツ(100人)、ロシア(100人)、インド(100人)、台湾(99人)、香港(52人)、レバノン(50人)。地域別の重み付けは調整し、誤差の評価は計算に含まれなかった。
 
 Novartis Oncology 社は、このニーズを満たすため、主な患者支援団体らと協同で、進行乳癌患者や家族、介護者のためのウェブサイト
(http://www.advancedbreastcancercommunity.org/)を開設した。

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