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局所進行非小細胞肺癌への化学放射線療法は標準線量のほうが高線量より有用

2013/05/16
八倉巻尚子=医学ライター

 局所進行ステージ3の非小細胞肺癌(NSCLC)に対し、化学療法と併用する際の放射線療法は、標準線量(60Gy)のほうが高線量(74Gy)よりも安全で効果的であることが、フェーズ3試験RTOG0617で明らかになった。詳細な結果は、5月末開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、米Washington University School of MedicineのJeffrey D. Bradley氏らによって報告される。

 対象は、ステージ3のNSCLC患者464人。標準線量群と高線量群にランダムに割付け、標準的な化学療法であるパクリタキセル(45mg/m2)とカルボプラチン(AUC 2)を併用した。また各群でさらにセツキシマブを投与する群と投与しない群にランダムに割付けた。セツキシマブは初回用量400mg/m2を1日目に、その後は週1回、250 mg/m2を投与した。

 なお中間解析の結果、高線量群は標準線量群を上回らなかったことから、高線量による治療は中止されている。

 解析は419人について行われた。標準線量群の生存期間中央値は28.7カ月、高線量群では19.5カ月であり、18カ月生存率は標準線量群では66.9%、高線量群は53.9%だった(p=0.0007)。

 18カ月時点の再発率は高線量群で高く、局所再発率が標準線量群では25.1%だが、高線量群で34.3%(p=0.03)、遠隔転移率はそれぞれ35.3%、44%であった。

 死因はほとんどが肺癌によるものであったが、治療関連死が高線量群は10人、標準線量群では2人だった。グレード3以上の有害事象は、標準線量群が74.2%、高線量群は78.2%だった(p=0.34)。

 多変量解析で、予後に影響する因子は、高線量、食道炎/嚥下障害、腫瘍量であった。

 セツキシマブ投与の効果については、今後のフォローアップで示される予定。

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