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I期のセミノーマの術後管理ではサーベイランスが好ましい選択肢に

2013/05/16
森下紀代美=医学ライター

 I期のセミノーマで手術が成功した患者の多くでは、サーベイランスのみで10年の癌特異的生存率が99.6%に上ることが、長期の大規模コホート研究から示された。デンマークCopenhagen University HospitalのMette Sakso Mortensen氏らが、5月31日から米国シカゴで開催される第49回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表する。

 I期のセミノーマに対する術後標準治療については、いまだ議論の的となっている。放射線療法、化学療法、サーベイランスといった治療様式に関わらず、生存率は良好であるが、治療選択肢により後期の副作用は異なる。

 サーベイランスには、5年間の身体検査、胸部X線撮影、CT、血液検査が含まれる。デンマークでは、サーベイランスは継続管理のための選択肢となっている。米国では約50%の患者に術後サーベイランスが選択され、残りの患者は放射線療法または化学療法を受けているが、最近ではサーベイランスにシフトしている。追加治療を回避することは、放射線療法後に発生する2次癌のリスクなど、有害な副作用を回避することにつながる。

 Mortensen氏らは、デンマークの全国的な臨床データベースを用いて、1984年から2007年までに胚細胞腫瘍と診断された患者4683人から、I期のセミノーマで原発腫瘍の術後に5年間のサーベイランスが行われた患者1882人を同定した。同氏らのデータと全国的な患者登録(national patient registry)を合併させることにより、2012年12月までの全例の再発、生存状態、死因のデータの入手が可能となった。

 追跡期間中央値は15.4年だった。結果として、10年癌特異的生存率は99.6%となった。1822人中、355人(19.5%)は13.7カ月後(中央値)に再発を認めた。精巣摘除術後2-5年以内の再発は72人(4%)、5年を超えてからの再発は26人(1.4%)だった。

 さらにMortensen氏らは、術後補助療法が必要と考えられる「ハイリスク」の患者の同定に役立つ、再発に関する重要な予後因子を特徴付けている。

 血管内浸潤またはリンパ管浸潤、4cmを超える腫瘍、ヒト絨毛性ゴナドトロピン>200IU/Lが、再発の予測因子として単変量解析と多変量解析で抽出された(p<0.01)。

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