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インフルエンザ・パンデミックに備え、人工呼吸器の使用基準

2008/04/09

 インフルエンザパンデミック時の人工呼吸器使用の優先順位を検討するNew York州のワーキンググループ(2006年3月結成)が、ガイドラインのドラフトをまとめた。

Allocation of Ventilators in a Public Health Disaster
DISASTER MEDICINE AND PUBLIC HEALTH PREPAREDNESS.2008;2:20-26.

人工呼吸器使用から除外するクライテリア

・心停止
 目撃者のない心停止
 繰り返す心停止
 標準測定に応答しない心停止
 外傷関連の心停止

・予後不良の転移性悪性疾患

・重症熱傷:熱傷体表面積>40%、重症気道熱傷

・終末期臓器障害
 心臓:NYHA分類 III または IV
 肺:重症慢性疾患でFEV1<25%
 肝臓:MELD(Model of end-stage liver disease)スコア>20
 腎臓:透析への依存
 神経系:重症、不可逆性の神経イベント/状態で、死亡率が高いと考えられる場合

(原図はこちら

著者プロフィール

牧瀬洋一(牧瀬内科クリニック院長)●まきせ よういち氏。1984年鹿児島大卒後、同大第一内科入局。大隅鹿屋病院などを経て、95年牧瀬内科クリニック(鹿児島県大崎町)開業。98年に有床診化(19床)。

連載の紹介

牧瀬洋一の「内科開業医のお勉強日記」
内科開業医として、呼吸器を中心に地域の患者を幅広く診察している牧瀬氏。JAMA、Lancet、NEJM、BMJをはじめ、主要論文誌をインターネットで読むのが日課。興味を引かれた論文を、牧瀬氏が紹介します。

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