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NEJM誌から
糖尿病でなくても血糖値高めの妊婦は注意
有害転帰の頻度が有意に増える

 糖尿病でなくても血糖値が高めの妊婦では、在胎週数に比して出生体重が大きくなる、胎児性高インスリン血症のマーカーである臍帯血Cペプチド値が高くなる、といった有害転帰の頻度が有意に増えることが明らかになった。米国Northwestern大学のBoyd E. Metzger氏らの報告で、詳細はNEJM誌2008年5月8日号に掲載された。

 日常診療においては、血糖値がどの程度になると周産期に有害な影響が及ぶのかを知ることが大切だが、これまでに行われた研究では一貫した結果は得られていない。

 著者らは、9カ国の15医療機関で、糖尿病歴のない妊婦を登録した。ベースラインで、飲酒喫煙習慣など妊婦自身の生活習慣と、1親等の家族の糖尿病歴、高血圧歴について調査した。妊娠24週から32週の間(28週の実施を目標)に75g耐糖能検査を実施。34週から37週の間に採血して、ランダムなタイミングの血糖値も調べた。さらに臍帯血を回収し、Cペプチド(胎児のβ細胞の機能の指標)と血糖値を測定した。

 負荷後2時間血糖が200mg/dL超で糖尿病を示した場合、空腹時血糖が105mg/dL超となった場合、ランダム測定した血糖値が160mg/dL超の場合、いずれかの血糖測定値が45mg/dL未満だった場合には、盲検を解除した。分析は、盲検が維持され、データが揃っていた2万5505人(平均年齢29.2歳)を対象に行われた。

 主要アウトカム評価指標は、出生体重が在胎期間が同じ集団の90パーセンタイル超、初回帝王切開、臨床診断された新生児低血糖症、臍帯血清Cペプチド値が90パーセンタイル超(胎児性高インスリン血症)に設定した。

 2次評価指標は、妊娠37週未満の出産、肩甲娩出困難または分娩外傷、新生児集中治療が必要だったか、高ビリルビン血症、子癇前症とした。

 妊婦を空腹時血糖、負荷後1時間血糖、負荷後2時間血糖の3通りの血糖測定値で7群(75mg/dL未満、75-79mg/dL、80-84mg/dL、85-89mg/dL、90-94mg/dL、95-99mg/dL、100mg/dL以上)に分け、主要アウトカムの発生頻度を調べた。

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