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これが「高齢者に処方すべきでない薬」だ!
日本版「Beers Criteria」、専門家が約70種類を選定

日本版「Beers Criteria」をまとめた国立保健医療科学院疫学部部長の今井博久氏。

 国立保健医療科学院疫学部部長の今井博久氏は、65歳以上の高齢者における不適切な薬物処方のリストを公開した(表1)。

 これは、米国で用いられている高齢患者の薬剤処方の基準「Beers Criteria」の日本版に相当するもの。高齢者において、疾患や病態に関係なく一般に使用を避けることが望ましい薬剤46種類と、特定の疾患・病態において使用を避けることが望ましい薬剤25項目がリストアップされている。このリストは、日本医師会雑誌4月号に掲載されたほか、国立保健医療科学院疫学部のWebサイト上でもPDFファイルとして公開されている。

 リストでは、副作用などの投与時のリスクが効果を上回ると考えられ、ほかに安全と考えられる代替薬がある薬剤を中心に掲載。高齢者に使用した際の起こり得る問題と、その重篤度も併記されている。

 今井氏は、「リストに記載のある薬剤を高齢者に使っている場合は、できるだけ代替薬に変更してほしい」と話す。例えば、長期間作用型ベンゾジアゼピン系薬は、高齢者が服用すると半減期が延長しがちで、転倒・骨折の原因になりやすいため、中~短期作用型ベンゾジアゼピン系薬を一定の用量以内で使用するべき、といった具合だ。「薬剤名は代表的なものを記載してあるので、具体的な薬剤名がリストに記載されていなくても、同じ系統の薬剤であれば、代替薬に変更した方がよい」(同氏)。

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