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日経メディカル3月号特集連動企画◆「救急医療 再生へのシナリオ」vol.1
救急医療はなぜ崩れゆくのか

 救急医療が崩壊の危機に瀕している。昨年秋以降、救急患者の搬送先が見付からないという事態が、全国で顕在化し始めた。原因は、医師不足と、コンビニ感覚の受診による患者数の増加にあることは間違いない。しかし、その背景には、容易に解決できない根深い問題が潜んでいる。

 場当たり的な対策では解決できないところまで来てしまったこの国の救急医療の問題に、どう対処していけばいいのか。その方策は、はっきりとは見えていない。

 日経メディカル3月号では、「救急医療 再生へのシナリオ」と題する特集を企画し、その打開策に踏み込むべく取材を行った。その結果得られたのは、個々の病院にできることはほとんど残っていないということ。そして、行政が補助金や診療報酬などでバックアップし、地域住民が自ら行動を起こす以外に、実効性のある対策はあり得ないということだった。

 それでも、復活のヒントになる動きや考え方は、捉えることができた。本誌3月号には、その点を含め、医療機関、行政、地域住民それぞれの立場で取られようとしている対策について掲載した。今回の連載企画では、実効性と取り組みの重要さを勘案し、特に地域住民の意識や受診行動をどうするかという点に重点を置いて記事を掲載していく。連載第1回は、救急医療がなぜ崩壊に陥ろうとしているかをまとめた。


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