従来、感染症の臨床については、現場の各医師が自分なりのやり方を自然成長的に身につけてきていた。「臨床試験の結果などをもとに診療が構築される」というよりは、「各医師が自分なりのやり方や考え方で、慣習的に対処される」ことが多かった分野である。
しかし、これからは慣習的なやり方でなく、手に入る科学的知見を臨床現場のコンテクストのなかで妥当に適用しながら、系統的な医療体系を構築していくべきだと私は考える。このような感染症診療の“質の底上げ”を図ることは、結果として近年話題となっている「抗菌薬の適正使用」に通じるものである。
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