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第5章●感染性心内膜炎、血管内カテーテル感染症の治療
血管内カテーテル感染症では、抗菌薬治療は必須事項
<OPARTS:議論テーマ>5-2 血管内カテーテル感染症

2008/10/20
大曲 貴夫=静岡がんセンター感染症科

 この感染症は、適切な治療を怠ってしまうと、感染性心内膜炎骨髄炎眼内炎など極めて重篤な合併症を引き起こす可能性があります。よって、診断・治療のポイントをきちんと把握することが求められます。また、診断で注意すべきことは、「カテーテル先の培養のみでは不十分、必ず血液培養を実行すること」です。

 さらに重要な点は、抗菌薬治療が不可欠だということです。カテーテルを抜去するだけで解熱するために、抗菌薬の投与は不要と思われる先生方が多いと思います。ですが、この感染症は、患者さんの身体部位の多くに合併症を起こすことがよくあるのです。ですから、血管内カテーテル感染症を、「早期診断と確実な抗菌薬治療が必要な疾患」という認識を持つことも重要です。

 さて、議論の方向性については、[初期治療]の項目でご意見をいただきたいと思っています。

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