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Lancet誌から
リラグルチドによる血糖管理はグリメピリドより良好
早期糖尿病患者におけるフェーズ3試験の結果

 新しい糖尿病治療薬のリラグルチドは、単剤投与でグリメピリドよりも良好な血糖コントロールをもたらす――。そんな試験結果を、米Baylor College of MedicineのAlan Garber氏らが、Lancet誌電子版に2008年9月25日に報告した。早期2型糖尿病患者に、2通りの用量のリラグルチドとグリメピリドをそれぞれ単剤で52週間投与し、安全性と有効性を比較したLEAD-3試験の結果で、リラグルチド投与群で、体重減少、低血糖リスク低減、収縮期血圧の有意な低下が見られた。

グルカゴン様ペプチド1GLP-1)は、グルコース依存性のインスリン分泌を刺激し、グルカゴンの分泌を抑制、食欲も抑える。リラグルチドは半減期の長いGLP-1アナログで、1日1回の皮下注射で有効性が示されている。

 LEAD-3試験は、52週間の二重盲検無作為化フェーズ3試験だ。剤形の異なる2種類の偽薬を使用し、実対照薬としてグリメピリドを用いた。

 2006年2月7日から、米国内126カ所とメキシコの12カ所の医療機関で患者登録を進めた。試験は2007年11月7日まで行われたが、その後オープンラベルの延長試験を継続中だ。

 登録したのは、18~80歳の早期2型糖尿病患者746人。内訳は、生活改善のみを行い薬物療法歴のない患者(HbA1c値は7~11%)が36.5%、経口糖尿病治療薬(スルホニルウレア薬、メグリチニド、アミノ酸誘導体、ビグアナイド薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジン誘導体など)を最大用量の50%未満で2カ月以上単剤投与されたが効果がなかった患者(HbA1c値は7~10%)が63.5%。

 これらの患者を、無作為に、1日1回のリラグルチド1.2mg(251人、平均年齢53.7歳)、リラグルチド1.8mg(247人、52.0歳)、またはグリメピリド8mg(248人 53.4歳)に割り付け、52週間投与した。リラグルチドの用量は、初回は0.6mgとしその後増量した。

 グリメピリドは朝食前または朝食時に服用。リラグルチドは30または31ゲージの針がついている注射器に充填済みで自己注射が可能な処方になっており、腕、腹部、または大腿に1日1回決まった時間に注射するよう指導した。

 主要エンドポイントは、HbA1c値のベースラインからの変化とし、2次エンドポイントは、体重、空腹時血糖、血圧、自己申告による生活の質などに設定。分析はintention-to-treatで行った。

 脱落はリラグルチド1.2mg群251人中89人、リラグルチド1.8mg群は246人中74人、グリメピリド群では248人中96人だった。理由としては、リラグルチド群は有害事象が多く、グリメピリド群では効果なしが多かった。

 ベースラインのHbA1c値の平均は8.2%、空腹時血糖値は9.5mmol/Lで、体重の平均は92.6kg、血圧は129/79mmHgだった。

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