日経メディカルのロゴ画像

医師がなぜ医師増員に反対するのか

2008/09/12

 2008.7.31のブログ「医師増員の署名活動を開始しました!」に、たくさんのご意見をいただきありがとうございます。

 その中で「医学生:2008/08/03 21:22、15年以内に必ず医師過剰の時代が来ます。そのとき今やっていたことを悔やんでも遅いですよ。(中略)某国では医師が増えすぎて失業し、タクシー運転手をしているそうです」や「医学生4年:2008/08/04 17:05(前略)本田先生、増員といいますが、一体何人医者を増やしたいのですか?(中略)曖昧な計算で申し訳ないですが、医師増員を考えるのであれば、これよりましな根拠を出していただきたいです」 というご質問やご指摘をいただきました。

 全国で、医師不足の問題が根底にある病院閉鎖や勤務医の立ち去り型サボタージュがこれだけ話題になっているこの期に及んでも、大変に残念なことに医師増員に対して、医師の間でさえ、いまだきちんとしたコンセンサスができていません。むしろ、医療崩壊を取材するメディアや、医療が崩壊した地域で悩んでいる住民や政治家の方が、積極的に医師増員に賛同してくれている、というのが私の実感です。

 なぜ医師が医師増員に反対なのか――。私が今まで直接お話したり、ブログの反響を見る範囲では、その理由は以下の3つの理由に大別されると思います。

理由その1:国(医師の需給検討会報告など)の見解を素直に信じている

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

この記事を読んでいる人におすすめ