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「長期処方が増えている」は本当か

2009/02/03

 医療機関を受診すると、先生から「今日は○日分のお薬を出しておきますね」と言われます。普段、風邪程度でしか受診しない私のような人間の場合、1回にもらう薬は3~4日が普通で、長くても7日分です。

 でも世の中的には、2002年に14日分を超える「長期処方」が解禁されてから、1回当たりの処方日数は大幅に伸びたそうです。たしかに、薬局から山ほどの薬を持って出てくるお年寄りを見かけることがあります。シップのようなかさばる薬が多いとか、薬の種類が多いとかといった事情もあるでしょうが、おそらく一度に処方されている日数も多いのでしょう。

 そんなことを考えていたら、慢性疾患では、一度にどのくらいの日数分の薬をもらうのが一般的なのか、気になってきました。もしかしたら処方日数は、同じ薬でも剤形によって違ったり、診療科で差があったりするのではないでしょうか。いつものように、私ども、日本医療データセンターが健康保険組合からお預かりしているレセプトデータで調べてみることにしました。

診療所の方が処方日数が短い
 今回分析したのは、調剤のレセプトデータで、外来の内服薬が対象です。すべてを調べるのは大変なので、比較的長期の通院を要するであろう慢性疾患に使われる薬剤のうち、処方数が多く、剤形や力価が複数存在する代表的な薬剤をチョイスしました。

著者プロフィール

木村真也(株式会社日本医療データセンター社長)●きむらしんや氏。1981年京都産業大学卒。大手外資系製薬会社マーケティング部長、CROバイスプレジデントなどを経て、2002年に日本医療データセンターを設立。

連載の紹介

レセプトを読み解く
日本医療データセンター(JMDC)では、複数の大手健康保険組合からのレセプトや健診データを基に、様々な分析を行ってます。1000万件を超える膨大なデータから、同社社長の木村氏が、医療の「今」を探ります。

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