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このままでいいのか 国立高度医療センター独法化
仙谷議員が突きつけた3つのギモン
関家一樹(法政大学法学部4年生)、篠田将(東京大学医学部3年)

2009/02/20

関家一樹氏

【“壁の向こう側”だった医療現場】

 本題に入る前に、医療施設(病院+クリニック)は日本全国に何件ぐらいあるのか、という問題を考えてみる。街(東京都東部や山口県東部)を歩いて眺めた実感としては、「交番・郵便局よりかは多いが、コンビニより少ないかな?」といったところだろうか。

 最近は便利な世の中になっていて、質問を“グーグル”先生に聞けば結構マトモな答えを得ることができる。せっかくの疑問なので、グーグル先生に聞いてみることにした。

 結果から言うと、日本全国にはおよそ10.8万件の医療施設が存在する(厚生労働省:平成19年医療施設(動態)調査)。ちなみに、

○ コンビニは日本全国で5.1万店舗(wikipedia:コンビニエンスストアの店舗数一覧。元データは各チェーンの公式サイトから算出)
○ 郵便局は日本全国で2.4万局(郵便局ウェブサイト)
○ 交番は全国で6,300箇所(警察庁生活安全局地域課の統計)

 つまり、私の実感は間違っていたことになる。意外にも医療施設はコンビニの2倍以上、街のあちこちにあるようだ。

 施設数から考えると医療機関はかなり身近であるはずなのだが、これまで医療現場で起こっていることは、医療関係者以外にとって「壁の向こう側で起こっていること」「こちら側から知ることはできないこと」であった。

 これに対し警察が関連するニュースは、良いにつけ悪いにつけ、よく報道されてきた。また郵便局については2005年、あるべき形をめぐって大騒ぎになり、選挙まで行われたほどである。

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