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RAの疾患活動性にレプチンが関与か
罹病10年超のRA患者では血清レプチン値と活動性指標が有意な正相関

 レプチンは、食欲の抑制を通じて体重を調節する一方、炎症や免疫反応にも関わる。関節リウマチ患者に見られる慢性の炎症と低栄養状態に、レプチンが関与している可能性が示された。長期の関節リウマチ患者では疾患活動性と血清レプチン値に有意な相関が見られた。ポーランドLublin医科大学のBozena Targonska-Stepniak氏らの研究成果で、6月24日のポスターセッションで発表された。

 研究グループは、 1987年のACR基準に基づいて関節リウマチと診断された37人の患者を対象とした。24人(64.9%)が女性、平均年齢は58.6歳で平均罹病期間は136.5カ月だった。罹病期間が10年を超える患者が18人(48.6%)いた。疾患活動性スコア(DAS28)が5.1を超える高活動性患者は17人(45.9%)で、残りの患者は低活動性または中活動性だった。

 血清レプチン値の正常範囲は女性で3.877~77.273ng/mL、男性で2.205~11.149ng/mLとされる。37人の患者の血清レプチン値の平均は、女性が26.7ng/mL、男性は8.9ng/mL。女性患者でのみ、BMIと有意な正の相関を示した。

 びらん性関節炎のある患者では、そうでない患者に比べ、レプチン濃度は有意に高かった(24.7ng/mL対7.2ng/mL、P=0.02)。罹病期間が10年を超える長期患者に限定すると、血清レプチン値は、低・中活動性患者に比べ高活動性患者で有意に高かった(14.4ng/mL対36.7ng/mL、P=0.02)。

 長期患者では、血清レプチン値とDAS28値、赤血球沈降速度(ESR)、痛みのある関節の数との間に、それぞれ有意な正の相関が見られた。また、有意ではなかったが、レプチン値とC反応性蛋白質(P=0.08)、シスタチンC濃度(P=0.07)、腫脹のある関節の数(P=0.07)の間にも相関傾向が認められた。罹病期間が10年未満の患者には、こうした関係は認められなかった。

 これらの結果から、罹病期間が10年を超える長期RA患者では、レプチン値が高いと疾患活動性が高く、病気の程度も深刻であることが示唆された。また、レプチン値が高いと食欲が低下し、栄養不良を招くと考えられた。

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