日経メディカルのロゴ画像

【ちょっと瞳やすみ(その3)】
動画で見るレーシック手術

2008/01/10

 近視矯正手術の患者が他科から眼科に紹介されるということはほとんどないのだが、近視矯正手術自体には興味を持つドクターは多い。眼科以外の方の中には、いまだRK(放射状角膜切開)しか知らない方もいるようだが、最近はレーザーを使った手術がほとんどとなっている。前回の白内障手術に続き、動画で紹介したい。

 眼の屈折(近視、遠視、乱視)を決める要素は角膜と水晶体と眼軸長であり、手術で矯正できるのは前者の2つである。もっとも、水晶体を取ってしまうと、調節能力がなくなるため老眼になってしまう。既に老眼になっていて白内障がある場合には白内障手術を行ってもあまり困らないが、若い世代で急に老眼になることは非常に不便である。したがって、近視矯正手術の対象は角膜ということになる。

 角膜の屈折力を決定しているのはその曲率半径である。レーザーで角膜を削ってそのカーブを変えることにより近視が矯正できる。以前は角膜上皮をはがした後にレーザーを照射していたが(PRK:photorefractive keratectomy)、術後の目標度数の予測性がやや落ちること、片眼ずつの手術になること、痛みが出るといった理由で、現在はレーシック(LASIK:Laser in situ keratomileusis)が主流となっている(患者の職業や眼の状況などによってはPRKを選択することもある)。

著者プロフィール

石岡 みさき(みさき眼科クリニック院長)●いしおか みさき氏。1989年横浜市立大医学部卒。93年米ハーバード大スケペンス眼研究所。96年東京歯科大市川総合病院。98年両国眼科クリニック勤務。2008年より現職。

連載の紹介

【臨床講座】たかが“眼”と侮るなかれ
非専門医でも、眼の診療を行う機会は多いもの。しかし、“ついで”に出した点眼薬が重症化や副作用の見逃しを招くなど、トラブルの種はそこここに潜んでいます。眼の診療で最低限注意すべきポイントを紹介します。

この記事を読んでいる人におすすめ