診断に至る過程にはいくつかの方法がある。アルゴリズム法、パターン認識法、そして仮説演繹法などだ。今回は、救急の現場で仮説演繹法を使って診断に至った1例を紹介し、思考過程の実際を解説したい。
仮説演繹法の流れは、まず臨床的問題(≒主訴)に対応する鑑別診断のリストを作成し、次いでその事前確率を推定する。さらに、病歴や身体所見、検査所見といった臨床情報を加えて事後確率がどれくらいになるかを推定するといったものである。事後確率がそれ以上の検索を要さないレベルまで下がれば除外診断となり、治療閾値を上回れば確定診断となる。
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著者プロフィール
八戸市立市民病院救命救急センター●青森県八戸市の3次救急施設として、重症熱傷の集中治療室、心疾患集中治療室などを備える。病床は30床。本連載は、今明秀所長の監修の下、センターのスタッフが執筆。
連載の紹介
症例で学ぶ救急診療の鉄則――北の現場から
救急患者が訴える多様な症状への対応法、危険な兆候を見逃さないための鉄則、ピットフォールを、八戸市立市民病院救命救急センターのスタッフが、臨場感あふれる症例画像とともに解説します。
この連載のバックナンバー
2009/09/26
2009/06/24
2009/03/11
2008/09/30
2008/06/16