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WBCのイチローから学んだリーダー像

2009/04/03

 WBC(World baseball classic)やってくれました!2連覇達成です!日本野球が、そして侍Japanが再び世界一になりました。北京オリンピックで韓国が優勝し、WBCで日本が2連覇。野球の本場は、米国から極東に移ったのでしょうか?

 2006年の前回大会同様、今回もとても興奮しました。どうしてあれほどすごくて、面白い試合ができるのか?両チームがともに真剣だからこそ、いわゆる「筋書きの無いドラマ」が展開されるのでしょう。

 特に韓国との決勝戦は、手に汗握る試合展開でした。逃げ切れると思ったら追いつかれ、そして、調子の悪かったイチローが最後の最後に決勝打。「神が降りてきた」と本人が言うように、何かを持って生まれてきた天才選手ぶりを改めて感じさせてくれた瞬間でした。

 試合も最高でしたが、イチローのコメントも相変わらず冴えていました。私は、彼の発言にとても興味を持っています。時に過激な発言もあり、韓国の人には不評な一面もあったようですが、彼の言葉には、スポーツ選手を超えた面白味があります。

 「韓国のユニホームを着て、キューバのユニホームを着て、アメリカのユニホームを着て…。今回のWBCは谷ばかりでしたが,最後に大きな山がやって来て、日本のユニホームを着ることができました。さらには美味しいところで決勝打を打ててごっつあんです」

 同僚の選手および日本の野球ファンが思っていたであろうことを理解した上で、チームになかなか貢献できなかった苦しさと最後の最後にようやく訪れた喜びを、飾らず、かつユーモラスに表現しています。このコメントにより、彼の評価はまた上がったのではないでしょうか?

著者プロフィール

緑山草太(ペーンネーム)●みどりやま そうた氏。消化器外科医。1988年、東京の医科大学を卒業。2000年、栃木県の国立病院の外科部長。2004年に再び東京の大学病院に戻り、医局長を務める。

連載の紹介

緑山草太の「僕ら、中間管理職」
良い診療も良い経営も、成否のかぎを握るのは中間管理職。辛くとも楽しいこの職務は、組織の要。「良い結果は健全な組織から生まれる」と話す緑山氏が、健全な組織を作るための上司の心得を紹介します。

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