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本誌連動◆優先すべきは制度か、現場か どうなる総合医 Vol.2
過去と面子にこだわる関連団体 現場不在の総合医論議(2)

 日医にはしごを外された格好の3学会は困惑気味だ。3学会はこれまで、それぞれの医師像を主張してきた。表1に示したのが、現在ある資格、または計画中の総合医に関連する資格の一覧だ。

 これらは後期臨床研修以降に行うことを想定しており、求めるイメージも似通っている。これを一つに束ねられるかが最重要の懸案事項であり、会員数が桁違いに多い日医との協働で、数の論理によって医師像が固まるとの期待があったからだ。

 今後、3学会の資格を発展的に統合していくことになるだろうが、「日本家庭医療学会のように、日本における家庭医のあり方を長年追求してきた学会は、アイデンティティーの曖昧な学会との合併に反対する会員も少なくない」(同学会幹部)。また、今年2月の日本総合診療医学会では、評議員会で合併反対を明確に主張する幹部も少なくなかった。

 一方、日本プライマリ・ケア学会は、内科だけでなく、外科、眼科、耳鼻科、歯科など多様な診療科の会員が独自のプライマリケアを続けてきただけに、内科や小児科の診療実績を求められる資格が作られることには不協和音も聞こえてくる。

 各学会がそれぞれ一枚岩でないのに、ほかの学会と一緒になれるのか、さらには日医と共同歩調を取れるのか、認定制度の創設そのものを不安視する声は絶えない。

 今年5月29日には初のプライマリ・ケア関連学会連合学術会議が開催される。合併後の新しい学会名称は「日本プライマリケア総合医療学会」が有力だが、その名称決定についても、紆余曲折が予想される。

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