日経メディカルのロゴ画像

あの本の著者は既に故人だった

2009/06/08

 以前、このブログで、『なぜ、かくも卑屈にならなければならないのか』(へるす出版)という、現役医師が執筆した書籍を紹介しましたが(こちら)、実は筆者の野笛氏は、あの時に既に故人となられていました。

 その方の闘病記『できれば晴れた日に 自らの癌と闘った医師とそれを支えた主治医たちの思い』(へるす出版)が、「野笛涼」というペンネームではなく、「板橋繁」という実名で出版されました。

 本書の背中の帯には、こう書かれています。

本書は、単なる「40代半ばの働き盛りの医師が、三人の息子と妻を遺し逝った、壮絶な癌闘病記」ではない。再発後、板橋医師は自らの日記を振り返り、思いや感想を書き加えた。板橋医師の没後、支えつづけた医師たちが、闘病記を読み解き、思いや苦悩を追記した。…運命の幸不幸の解釈も拒絶して動じない、一筋の硬質な軌跡を目の当たりにして、私はまたも語るべき言葉を失う…。自らの癌と闘う医師、それを支えた医師たち。心の深奥に触れる言葉の数々が綴られている。

著者プロフィール

本田宏(済生会栗橋病院院長補佐)●ほんだ ひろし氏。1979年弘前大卒後、同大学第1外科。東京女子医大腎臓病総合医療センター外科を経て、89年済生会栗橋病院(埼玉県)外科部長、01年同院副院長。11年7月より現職。

連載の紹介

本田宏の「勤務医よ、闘え!」
深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ—。医療の現場をよく知らない人々が医療政策を決めていいのか?医療再建のため、最前線の勤務医自らが考え、声を上げていく上での情報共有の場を作ります。

この記事を読んでいる人におすすめ