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医師の計画配置論は荒唐無稽だ
多田智裕(武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科)

2009/06/29

 ※この記事は世界を知り、日本を知るグローバルメディア日本ビジネスプレス(JBpress)からの転載です。

 6月3日、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は、平成22年度予算編成の基本的な考え方を発表しました。

 医療については、「地域間、診療科間、病院・診療所間における医師の偏在を是正する必要がある」とされ、その解決策として「『経済的手法』と『規制的手法』の両方を行なうべきだ」と提言されました。経済的手法とは、医療費の配分調整を行なうということです(2009.6.9「JBpress」掲載のコラム「開業医の給料は高すぎる?」を参照)。私は、これについては本質的には配分調整だけでは不十分で、高齢化が進む以上は医療費が増えるという当たり前のことを前提に議論すべきだと思っています。

 最終報告では経済的手法に加えて、「規制的手法を取り入れるべき」との文言が入れられました。意味合いを考えると、これはとても見過ごしてよいものではありません。規制的手法とは、具体的には「医師の適正配置」ということです。今回の提言では、こう解説されています。

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