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【緊急連載◆流れは変わるか? 安倍政権下の医療政策(2)】
医師不足の解消望むも期待は希薄

図1 5年間続いた小泉政権時代に、医療は良くなったと思うか(左)、図2 安倍新政権への期待感について(右)

 小泉政権時代に、医療は悪くなったと考えている医師が大多数を占めているにもかかわらず、安倍新政権に期待を寄せている人はわずか――。日経メディカル オンラインが実施した緊急調査の結果から、こうした事実が浮び上がってきた。

 この調査は、安倍政権誕生直後の9月28日から10月3日にかけて、日経メディカル オンラインに登録している医師会員を対象に実施したもの。216人の医師から回答があった。回答者のプロフィルは、40歳代が最も多く30%強を占め、次いで50歳代、30歳代の順。約6割は病院または診療所の勤務医で、診療所開業医の回答者は3割弱。

 まず、小泉政権下で医療がどうなったかを尋ねたところ、62.5%が「悪くなった」、29.6%が「どちらかといえば悪くなった」と答えた(図1)。小泉時代の医療政策について、医療界に大きな不満が渦巻いていることが改めて明らかになった。

 それでは、安倍新政権に期待しているかというと、「小泉政権より期待できる」と回答したのはわずか8.8%(図2)。一方、「小泉政権と変わらない」と回答した人は全体の73.6%を占めている。1980年代前半から20年以上も続く医療費抑制の流れの中で、たとえ総理大臣が変わっても医療政策の方向性は変わらないと考え、諦めムードに陥っている医師も少なくないようだ。

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