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三環系・四環系抗うつ剤でも「他害行為」
SSRI、SNRIに続き厚労省が添付文書改訂を指示

 厚生労働省は7月3日、アモキサピン(商品名:アモキサンほか)やミアンセリン塩酸塩(テトラミド)などの三環系・四環系抗うつ剤と、フェニルピペラジン系抗うつ剤のトラゾドン塩酸塩(デジレル、レスリンほか)の計12成分について、添付文書に他害行為などについての注意を喚起する記載を追加するよう製薬企業に指示した。

 指示内容は、5月に行われた選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)の計4成分に対する改訂指示とほぼ同じ。服用者に不安や焦燥、攻撃性などが現れやすくなることや、こうした症状を来した症例では自殺企図や他害行為などが報告されていることを記載して、注意を喚起する内容となっている。

 今回の改訂指示の対象は、以下の12成分。
  ・アミトリプチリン塩酸塩(トリプタノールほか)
  ・アモキサピン(アモキサンほか)
  ・イミプラミン塩酸塩(イミドール、トフラニール)
  ・クロミプラミン塩酸塩(アナフラニール)
  ・セチプチリンマレイン酸塩(テシプールほか)
  ・ドスレピン塩酸塩(プロチアデン)
  ・トラゾドン塩酸塩(デジレル、レスリンほか)
  ・トリミプラミンマレイン酸塩(スルモンチール)
  ・ノルトリプチリン塩酸塩(ノリトレン)
  ・マプロチリン塩酸塩(ルジオミールほか)
  ・ミアンセリン塩酸塩(テトラミド)
  ・ロフェプラミン塩酸塩(アンプリット)

 厚労省は上記の12成分の「慎重投与」の項に、「衝動性が高い併存障害を有する患者」と「自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者」の、二つを追記するよう指示した。

 また、「重要な基本的注意」の項の自殺企図に関する記載に、「不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察する」旨を追記するよう求めた。

 さらに、家族等への指導に関する記載を、「家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること」と改めるよう指示している。

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