診療所や病院で地域医療を担っている医師らの団体である日本プライマリ・ケア学会、日本家庭医療学会、日本総合診療医学会の3学会が、2010年4月1日に合併する。8月23日、京都で開催された3学会合同の「2009年プライマリ・ケア関連学会連合学術会議」で正式に発表された。新たな組織の名称は「日本プライマリ・ケア連合学会」になる予定だ。
3つの学会が合併する最大の目的は、生活背景まで含め、患者を総合的かつ継続的に診ることができる医師の育成。開業医が中心となる総合医・家庭医が、病院の臓器別専門医と役割を補完し合えば、無駄な受診を防ぐことができ、深刻化している医師不足問題を解決するための強力な処方箋になると期待される。新たな組織の当面のミッションは、こうした医師の育成体制を整え、国民に広く認知してもらうことになる。その第一歩として、来年度から、3学会合同の「家庭医療専門医(仮称)」の認定を始める計画だ。
認定コースは複数設ける方針
総合医・家庭医向けの認定制度については、これまで、3学会がそれぞれ独自に設けていたが、認定医師数は少なく、認知度も低かった。今後創設する「家庭医療専門医」は、今年4月に全国の日本医師会員に配布された「日本医師会生涯教育カリキュラム2009」の冊子を基に認定プログラムを組んでいく予定。同冊子は、2007年から3学会と日医が共同で作成してきたもので、総合医・家庭医を目指す幅広い医師が取得できる認定制度を想定している。
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