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「胎動って、どんな感じですか?」

2009/09/25
引地悠

 つわりの時期は、つわりに終わりがないような気がして、1日1日が大変長く感じました。そのころはまだ、胎動を感じることもなく、赤ちゃんがお腹の中にいることを体感しにくいということも、つらさの一因だったかもしれません。

 妊娠4カ月に入ったある日、それまでのつらさがうそのように、悪心や嘔吐がなくなりました。以後、さわやかな食欲を手にした私は、食事を存分に楽しむようになりました。そのため体重が急上昇してしまい、妊婦健診の際、母子健康手帳に「体重増加注意」というハンコを押されるようになったほどです。

 こうして、つわりの時期を乗り越えた私は、教科書的には「妊娠5カ月ごろから感じ始める」という「胎動」を、楽しみに待つようになりました。

 一般的に、初産婦は胎動に気付きにくいといわれているので、出産経験者(主に看護師さん)をつかまえて、「胎動って、どんな感じですか?」と聞いてみました。すると…

「腸がグジュグジュって動くような、変な感じよ」
「泡がパチってはじける感じかなあ」
「おなかの中でポコポコって鳴るよ」

 など、胎動の感じ方も人それぞれのようでした。ただ、皆さんに共通していたのは、「初めは胎動かどうか半信半疑だけど、日が経つにつれて、はっきりしてくる」ということでした。

 妊娠5カ月も半ばを過ぎたお盆の時期、私は夫と秋田県南部の羽後町を訪れました。日本三大盆踊りの一つとして知られる、「西馬音内(にしもない)盆踊り」を鑑賞するためです。

著者プロフィール

引地 悠●ひきち はるか氏。2004年宮崎大卒後、洛和会音羽病院(京都市)にて初期研修2年、後期研修1年。07年4月中通総合病院(秋田市)総合内科で後期研修。07年9月に結婚し、09年1月に第1子を出産。

連載の紹介

引地悠の「ただ今、育児休業中!」
「結婚して子供を産んでも、臨床や研究の第一線から退きたくない」。そんな女性医師の1人である引地氏が、1年間の育児休業を取得。妊娠・出産、育児を通じて、医師である自分に起こった変化を現在進行形でつづります。

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