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どうなる?2010診療報酬改定

NICUや救急受け入れ実績を評価する考え示す
2010年度改定に向けた個別議論始まる

 中央社会保険医療協議会・診療報酬基本問題小委員会が9月30日開かれ、2010年度診療報酬改定に向けて、分野別の個別項目に関する具体的な議論に入った。今回は、周産期医療と救急医療について話し合った。

 周産期医療に関して厚生労働省はまず、ここ20年でハイリスク新生児の割合が増えていることや、NICUの病床利用率が90%超の総合周産期母子医療センターが約8割を占めるといった現状について報告。次いで、前回の2008年度診療報酬改定で、ハイリスク妊娠管理加算(合併症を抱えた妊婦の入院管理を行った場合を評価した点数)の新設や、超重症児(者)入院診療加算(超重症児などの入院を受け入れた場合を評価した点数)で6歳未満の患者を入院させた場合の点数の引き上げなどを行った経緯を説明した。

 その上で、2010年度改定に向けて5つの論点を提示。具体的には、①増加するハイリスク児に対応するために、さらに整備が進められることとされたNICUの評価、②産科合併症以外の合併症を有する妊婦の受け入れの評価、③NICUからの退室・転床の円滑化を目的とした、手厚い看護体制など重症児に対応できる診療体制や、在宅療養への支援などに対する評価、④周産期母子医療センターと地域の産科医療機関との連携体制や、母体・新生児の施設間搬送の評価、⑤ハイリスク分娩管理加算の要件見直し─を挙げた。

 これらの論点について、委員からは特に反論はなく、今後議論を深めていくことでおおむね合意。さらに、「NICUから在宅などへの退院をスムーズにするには、看護師やMSWの早期の関与が重要。NICUを持つ医療機関と訪問看護ステーションの看護師らが、NICUの患者に退院支援を行った場合、双方が評価されるようにしてほしい」といった意見が出た。

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