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風邪って年に何回かかる?

2009/10/05

 「季節の変わり目は風邪に注意」なんてことをよく言います。温度変化のあるときは体調管理にも気をつけたほうがいいのでしょう。そんなことを考えているうちに、風邪は年に何回くらいかかるものなのかが気になってきました。

 風邪気味でもOTC薬を服用したり、家庭秘伝の方法で対処したりと必ずしも医療機関に行くとは限りませんが、受診するほどの風邪は年に何回くらいあるものでしょうか。考えてみると、色々な疑問が出てきます。

 母親が心配するので、子供は比較的軽い風邪でも受診するのだろうか?同じ小児でも就学前と小学生では違うのだろうか?大学受験を控えた高校3年生は風邪くらいでは医療機関には行かないのだろうか?仕事していると休めないので受診しないのだろうか?

 ということで、レセプトを使って風邪で医療機関にかかる頻度を検証してみました。

 使ったレセプトは、0~69歳の8万7314人を対象にした2007年1年間分。風邪様の疾患の記載のあるレセプトで、かつ初診算定があるものが何カ月分あるかを一人ひとり集計してみました。例えば、2月と8月に風邪の初診があれば、2カ月と集計します。

 風邪様の疾患として以下の疾患を選択しました。

急性上気道炎 J069
急性咽頭炎 J029
咽頭炎 J029
かぜ J00
咽頭喉頭炎 J060
急性扁桃炎 J039
扁桃炎 J039

 集計してみますと、どの疾患でもやはり1カ月(1回)しか風邪で受診していない人が多数を占め、その比率は75~85%です。

著者プロフィール

木村真也(株式会社日本医療データセンター社長)●きむらしんや氏。1981年京都産業大学卒。大手外資系製薬会社マーケティング部長、CROバイスプレジデントなどを経て、2002年に日本医療データセンターを設立。

連載の紹介

レセプトを読み解く
日本医療データセンター(JMDC)では、複数の大手健康保険組合からのレセプトや健診データを基に、様々な分析を行ってます。1000万件を超える膨大なデータから、同社社長の木村氏が、医療の「今」を探ります。

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