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ツイッターによる「医療オピニオン」形成の可能性

2009/10/02

 先日、このブログで「ツイッター」について取り上げましたが、(2009.9.11「『パブリックコメント』と『ツイッター』」いただいたコメントは、「あまり実りを期待できるシステムではないんじゃないですか?」というものでした。それからしばらくして、私も段々と使い方にも慣れてきたので、ツイッターの利便性と弱点・問題性が分かってきました。今回はそのお話をしてみたいと思います。

 まず、「ツイッターって何?」という方に、仕組みを簡単に説明します。ツイッターのユーザーに登録すると、いつでも好きなときに、上限140字以内の短い文章を自分のホームに掲載できます。これは“つぶやき”と呼ばれています。また、他のユーザーのつぶやきを検索でき、それを閲覧して気に入った人がいれば、自分のホームで見るために登録することができます。これを「フォロワー」になるといい、フォロワーになると、フォローしている相手のつぶやきも自分のホーム上に自動的に表示されます。

 自分が他人をフォローするのと同様に、他人も自分をフォローすることができます。スパムやストーキングを防止するためか、「この人にフォローされたくない」と思えば、フォローを拒絶できますが、自分も相手をフォローできなくなります。相互排除はユーザーの権利として、システムの一部になっています。

 ツイッターは、ブログとチャットの機能を組み合わせた、個人個人でネットワークを構築できるツールといえます。従来のSNSやメーリングリストは、公開される範囲や対象者を限定しますが、ツイッターは基本的に公開されています。また、フォローしている相手に、情報を自動的に同時発信できます。これらの点が他のサービスとの違いといえるでしょう。

 このツイッターで一番有名なユーザーといえば、オバマ大統領です。時に、自らの政策についてつぶやきます。最近は、ヘルスケア法案の進捗についてつぶやいているのを何度か読みました。わが国の著名人では評論家の勝間和代さんが頻繁に書き込んでおり、つぶやくというより、日本経済について論じていることもあります。これら著名人については、なりすましや詐称を防ぐため、ツイッターが認証を行う仕組みもあります。

著者プロフィール

竹中郁夫(もなみ法律事務所)●たけなか いくお氏。医師と弁護士双方の視点から、医療訴訟に取り組む。京大法学部、信州大医学部を卒業。1986年に診療所を開設後、97年に札幌市でもなみ法律事務所を開設。

連載の紹介

竹中郁夫の「時流を読む」
医療のリスクマネジメントを考えるには、医療制度などの変化に加え、その背景にある時代の流れを読むことも重要。医師であり弁護士の竹中氏が、医療問題に関する双方向的な意見交換の場としてブログをつづります。

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