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PSA検診は妥当か否か?

2009/10/07

 PSA前立腺特異抗原)による前立腺癌検診の有効性については、2009年3月に2件のランダム化比較試験(RCT)[1,2]が発表されましたが、決定的な結論は出ず、コントラバーシャルな状態が続いています。

 わが国でも、日本泌尿器科学会は「50歳以上の男性のPSA検診を推奨」(こちら)、厚生労働省研究班は「現在のところ対策型検診として実施することは勧められない」」(こちら)との見解です。そこへ今回、スウェーデンで行われた症例対照研究が発表されましたので、読んでみました。

Holmstrom B, Johansson M, Bergh A, Stenman UH, Hallmans G, Stattin P. Prostate specific antigen for early detection of prostate cancer: longitudinal study. BMJ 2009; 339: b3537.(2009年10月3日号)

著者プロフィール

北澤京子(日経メディカル編集委員)●きたざわ きょうこ。1994年日経BP入社。専門分野は、医師患者関係、EBMなど。2006年9月から1年間、英国ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院に留学。

連載の紹介

北澤京子の「医学論文を斬る」
「専門用語や統計が頻出する英語の医学論文を手早く正確に読む際には、押さえるべきポイントがある」と語る筆者が、注目論文を批判的に吟味し、独自の視点で解説します。

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