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どうなる?2010診療報酬改定

シリーズ●どうなる?2010診療報酬改定 Vol.19
「事業仕分けは財務省主導でマニフェストに反する」
日医が行政刷新会議の「事業仕分け」に異論

日医常任理事の中川俊男氏は「事業仕分け」に対し、「ワーキンググループの結論はマニフェストと合致していない」と批判した。

 日本医師会は11月18日、定例記者会見で、行政刷新会議の「事業仕分け」に対する見解を発表した。

 行政刷新会議による「事業仕分け」は民主党政権の目玉事業の1つで、行政サービスについて事業の必要性の有無を公開の場で議論するもの。今回の事業仕分けでは医療に関して、

(1)レセプトオンライン導入のための機器の整備などの補助
(2)診療報酬の配分
(3)後発医薬品のある先発医薬品などの薬価の見直し
(4)医師確保、救急・周産期対策の補助金など
(5)社会保障カード

などが論点として挙げられた。

 仕分けの結果、(1)、(5)に関して予算計上が見送られたほか、(2)では収入が高い診療科の報酬見直しや開業医・勤務医の待遇格差の改善、(3)については先発品の後発品薬価までの引き下げや、医療材料の内外価格差の解消、市販品類似薬の保険適用外しが求められた。(4)に関しては、予算要求額を半減とされた。

 この結果について日医常任理事の中川俊男氏は、(2)の診療報酬の配分を論点としたことを特に問題視。「選挙時のマニフェストで診療報酬の増額をうたい、選挙後も診療報酬引き上げを何度も示唆してきたにもかかわらず、仕分けでは財務省主導で財政中立の議論が進んでしまった。ワーキンググループの結論はマニフェストと合致していない」と批判。「小一時間の議論で、昔に戻ってしまったようだ。開業医と勤務医の診療報酬の配分を変えるような小手先の対策では、今や地域医療の崩壊は食い止められない。予算編成では政治主導でお願いしたい」と、行政刷新会議の決定に左右されることなく、診療報酬を引き上げてほしいと訴えた。

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