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どうなる?2010診療報酬改定

シリーズ●どうなる?2010診療報酬改定 Vol.20
回復期リハビリの“質の評価”は継続の方向
「実調の数字はメディアスよりやや高め」と厚労省

 中央社会保険医療協議会(中医協)診療報酬基本問題小委員会が11月18日開催され、リハビリテーションに関する議論が行われた。

 まず、疾患別リハビリテーションに関して厚生労働省が、過去の算定要件の変遷について解説。その上で、発症後早期のリハビリへの評価や、手厚い提供体制下で行う急性期の運動器リハビリに対する評価について、意見を求めた。現行の運動器リハビリテーション料は、他の疾患別リハビリ料に比べると人員配置基準が緩く、例えば大腿骨頸部骨折の術後のリハビリなどが効率的に提供されていないとの指摘もある。

 茨城県医師会理事の鈴木邦彦氏は、手厚い人員体制下でのより総合的なリハビリへの評価を求め、「疾患別の報酬体系はそのままで、(それとは別建ての)診療所・病院別の新点数を設定してはどうか」と提案した。

 また、廃用症候群に対するリハビリの評価や、心大血管リハビリ料に関しても議論に上った。心大血管リハビリ料は、届け出施設数が他のリハビリ料に比べて低くとどまっているが、近年その医学的有効性を裏付ける報告が出てきている。当日の議論では、それらのリハビリを評価する方向性に異論は出なかったため、今後、算定の促進を視野に、要件の緩和などを含めて検討が進むことになりそうだ。

 回復期リハビリ病棟の診療報酬に関しては、2008年度改定で試行的に導入された“質の評価”を次期改定後も継続するかが大きな焦点だが、これについては継続の方向でおおむね合意した。

 回復期リハビリ病棟の入院料には、08年の改定でリハビリの質を評価する視点が導入された。具体的には(1)新規入院患者のうち15%以上が重症患者(2)在宅復帰率60%以上―を要件とした回復期リハビリテーション病棟入院料1(1690点)を設定。さらに、重症患者の30%以上で退院時に身体機能が改善していれば、重症患者回復病棟加算(50点)を算定できるようになった。

 中医協の診療報酬改定結果検証部会の報告によれば、回復期リハビリ病棟のうち88.0%が回復期リハビリ病棟入院料1を算定しており、その63.4%が重症患者回復病棟加算を算定していた。また、回復期リハビリ病棟入院料1の医療機関の在宅復帰率は、75%以上だった。

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