社会保障審議会・医療保険部会が11月25日に開かれ、これまでの議論を踏まえて厚生労働省が示した2010年度診療報酬改定の基本方針案を大筋で了承した。
今後は、取りまとめを一任された部会長の糠谷真平氏(独立行政法人国民生活センター顧問)が、同日に各委員から挙がった意見を反映させた上で、12月3日に開かれる社会保障審議会・医療部会での議論を踏まえ、基本方針を正式決定する予定。中央社会保険医療協議会(中医協)は、この基本方針の下で詳細な報酬設定の検討を進める。
方針案ではまず基本認識として、医師不足問題の改善などを目指して実施した前回の08年度改定以降も、日本の医療が依然として危機的な状況に置かれていることを確認。医療再建への対応策としては、診療側と支払い側双方の立場を尊重し、医療費全体の底上げを求める意見と、限られた財源の中で配分を大幅に見直す主張の両論を併記した。その上で、「救急、産科、小児、外科などの再建」と「病院勤務医の負担の軽減(医療従事者の増員に努める医療機関への支援)」の2つを重点課題に位置付けた。
これに対して全国後期高齢者医療広域連合協議会会長の横尾俊彦氏は、モンスターペイシェントの増加などをかんがみ、基本認識に患者の自覚を要求する文言の追加を要望した。
重点課題の1つである「救急、産科、小児、外科などの再建」においては、地域連携による救急患者の受け入れの推進や、小児や妊産婦を含めた救急患者を受け入れる医療機関に対する評価、急性期後の受け皿としての有床診療所も含めた後方病床・在宅療養の機能強化などに関する報酬のあり方を検討する方針。一方、「病院勤務医の負担の軽減(医療従事者の増員に努める医療機関への支援)」については、看護師や薬剤師などの医師以外の医療職が担う役割の評価や、医療クラークの配置の促進などが議論の対象になる。
シリーズ●どうなる?2010診療報酬改定
シリーズ●どうなる?2010診療報酬改定 Vol.25医療保険部会が次期改定の基本方針案を大筋了承後期高齢者医療にかかる報酬は廃止を検討へ
2009/11/27
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