2009年10月16日、アレルギー性鼻炎治療薬のデキサメタゾンシペシル酸エステル(商品名:エリザスカプセル外用400μg)が製造承認を取得した。1日1回、専用噴霧器「ツインライザー」を用いて鼻腔内に噴霧する。
国内の鼻アレルギーの診療ガイドラインでは、中等症以上に鼻噴霧用ステロイド薬を使用することとされている。現在、鼻噴霧用ステロイド薬としては、今回承認されたデキサメタゾンシペシル酸エステルを含めて、次の5成分が承認されている。
デキサメタゾンシペシル酸エステルは、ステロイド骨格に脂溶性置換基を導入することで、局所での貯留性と抗炎症効果の持続性を高めた製剤である。また、従来の鼻噴霧用ステロイド薬と異なり、添加物として防腐剤や保存剤などが含まれていない点も特徴である。
エリザスカプセル外用は、この粉末製剤をカプセルに充填した製剤であり、カプセル1個を専用噴霧器「ツインライザー」に装填して噴霧する。専用噴霧器は、ノズル先端が2つに分かれており、1回の噴霧で両鼻腔への投与が可能である。1日1回の投与で済むため、高いコンプライアンスが維持できるとともに、患者の生活パターンに合わせた治療が可能であることが特徴である。また粉末製剤なので、液だれや噴霧器の汚染が少なく、鼻腔内刺激も少ないとされる。
臨床試験では、6.5%に副作用が認められており、主なものとしては鼻部不快感や咽頭不快感がそれぞれ0.6%に発現している。