薬剤師が医療チームの中で求められるのは、あくまでも薬の専門家としての視点です。もちろん、担当する患者の病態や病気の診断について知識があるに越したことはないですが、診断は医師の領域であり、薬剤師の領域ではありません。ですから、レジデンシーでの臨床研修においても、薬剤師は薬という視点を通して患者を見ることになりますが、基本的な薬物療法モニタリングのスキルさえ身に付けていれば、様々な介入ができることを学びました。
今回は、私が体験したカリフォルニア州立大学デイビス校付属医療センター(UCDHS)での臨床研修に焦点を当てながら、アメリカの病院薬剤師が臨床で果たす役割と、他の医療従事者との協力関係について紹介します。
アメリカの薬剤師レジデントは早起き!
臨床研修中、レジデントは医療チームの一員として回診に参加し、チームが担当する患者の薬物療法モニタリングを行ないます。レジデントは既に薬剤師免許を持っているので、臨床研修においても責任の重さがインターンのときとは異なります。
UCDHS薬剤部のレジデントの1日を簡単にまとめました(表1)。朝礼は朝7時15分に始まります。私が研修中に同行した医療チームは7時半から回診を始めることが多かったので、朝礼の前に回診の準備を終えていなくてはなりません。そのため、私はいつも朝5時には起きて6時ごろまでには病院に行っていました。
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。
著者プロフィール
岩澤 真紀子
聖ジョセフ病院ソノマ郡薬剤部/米国薬物療法認定専門薬剤師(BCPS)
1995年東京薬科大学薬学部卒業後、99年まで東邦大学医療センター大森病院勤務。2006年南カリフォルニア大学大学院薬学部Pharm.D.課程修了。Harbor-UCLA医療センター(インターン)、カリフォルニア州立大学デイビス校附属医療センター(レジデント)勤務を経て、08年より現職。日本の薬学教育・薬剤師実務の水準向上に貢献することを目的に、海外で臨床教育を受けた日本人薬剤師のネットワーク「Pharm.D.クラブ(http://pharmd-club.cocolog-nifty.com)」を06年に結成。趣味は、ピアノ、ミュージカル・ジャズ鑑賞。
この連載のバックナンバー
2012/04/04
2012/03/16
2011/11/30
2011/07/22
2011/06/20