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JAMA誌から
胸痛でICU入院の患者、収縮期血圧が高いほど死亡率が低い
スウェーデンで行われた前向きコホート研究の結果

 急性胸痛で集中治療部門(ICU)に入院した患者では、入院時の仰臥位収縮期血圧が高いほど1年総死亡率が低いことが、スウェーデンLinkoping大学のUlf Stenestrand氏らの研究で明らかになった。論文は、JAMA誌2010年3月24日/31日号に掲載された。

 安静時血圧高値が心血管危険因子であることはよく知られている。しかし、急性胸痛のような急性ストレス下の血圧とその後の死亡の間の関係は明らかではなかった。

 著者らは、スウェーデンのすべての病院のICUに入院した患者の情報を登録しているRIKS-HIA(Register of Information and Knowledge about Swedish Heart Intensive Care Admissions)のデータを利用して、97年から07年までに急性胸痛を訴えてICUで治療を受けた11万9151人について、入院時の安静時収縮期血圧と様々な共変数に関する情報を得た。総死亡に関する情報は同国の死亡登録から、入院歴に関する情報は患者登録から入手した。

 この前向きコホートを、収縮期血圧で四分位群に分けた。最低四分位群=Q1群:128mmHg未満、第2四分位群=Q2群:128~144mmHg、第3四分位群=Q3群:145~162mmHg、最高四分位群=Q4群:163mmHg以上。

 主要アウトカム評価指標は総死亡率に設定。年齢、性別、喫煙歴、拡張期血圧、入院時の降圧薬とニトログリセリン使用、退院時の降圧薬、脂質降下薬、抗血小板薬、抗凝固薬の使用で調整し、Cox比例ハザードモデルを用いて1年死亡率を推定した。

 追跡期間の平均は2.47年だった。

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