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一生涯、産婦人科医を続けたい!

2010/04/28
吉田穂波

ドイツ時代の上司と。妊娠を報告すると、上司や周囲はとても喜んでくれました

 日本の周産期医療にウーマンパワーをもっと生かしたい。そのために必要なものは何でしょうか。

 そもそも日本の女性労働比率は欧米各国に比べて低いという事実があります。日本の女性労働比率のグラフを見ると「M字型」になっており、先進諸国の中でも、30―35歳の働き盛りの女性が離職する傾向が際立っています。実際、私が訪問したドイツ、イギリス、アメリカ、カナダでは、女性が出産を機に仕事を手放すケースは日本に比べて少ないという印象を受けました。

 女性の労働比率が高い国では合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数を示す指標)も高いということは既に判明していますし、仕事と子育ての両立支援策の推進が女性の出産率上昇に寄与することも分かっています。

 私はドイツ/イギリス留学からの帰国後、NPO法人「女性医師のキャリア形成・維持・向上を目指す会」(ejnet)の活動に賛同し、さまざまな提言を行ってきましたが、それもこのような視点からでした。

著者プロフィール

吉田穂波(ハーバード公衆衛生大学院リサーチフェロー)●よしだ ほなみ氏。1998年三重大卒後、聖路加国際病院産婦人科レジデント。01年名古屋大学大学院。ドイツ、英国、日本での医療機関勤務などを経て、08年ハーバード公衆衛生大学院。10年より現職。

連載の紹介

吉田穂波の「子育てしながらハーバード留学!」
米国ハーバード公衆衛生大学院で疫学の研究に従事する吉田穂波氏が、日米を往き来しながらの研究生活、子育て、臨床現場への思いなどを、女性医師として、産婦人科医として、4人の子の母親として、肌で感じたままにつづります。

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