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各党の参院選マニフェスト出そろう
民主・自民が「医師増員」「診療報酬引き上げ」をアピール
両党は消費税アップにも言及

 与党民主党国民新党のほか、自民党公明党など有力野党の参議院選挙に向けたマニフェストが出そろった。今回のマニフェストでは民主党、自民党が診療報酬の引き上げおよび医師数の増加に触れており、医療へのテコ入れが必要だという認識は共通している。また、両党ともに、消費税増税と、増税分の社会保障への繰り入れについても言及している。

 医療分野に関しては、民主党のマニフェストは、昨年衆議院選挙の際の内容から大きな変更点はない。医師数増の目標として1.5倍という数字を掲げたほか、後期高齢者医療制度の廃止やワクチン接種体制の強化、がんの予防・検診体制の強化などを盛り込んだ。ただし、診療報酬改定については、引き上げとはしたもののアップ幅に対する言及はなかった。

 同じく与党の国民新党は、医学部定員の20%増やメディカルスクールの創設、医療保険制度の一元化などを掲げたほか、患者の窓口負担を上限2割に引き下げる考えを示した。

 一方の野党自民党は、衆議院選挙の際と比較すると、より詳細なマニフェストを公表。民主党同様に医師数の増員や診療報酬の引き上げを明記したほか、臨床研修制度の見直し、高額療養費の限度額の引き下げ、公立病院支援のための交付税措置の拡充、医療事故の再発防止を防ぐ医療安全調査委員会の設置に向けた検討などを挙げた。また、独自のプランとして、国が医師1000人体制で「県境なき医師団」を結成し、医師不足の地域に医師を送る計画も盛り込んでいる。

 主な政党のマニフェストは、以下で見られる。(「みんなの党」以外はPDF)

民主党「manifesto2010」
国民新党「2010政策集」
自民党「J-ファイル2010」
公明党「マニフェスト2010」
社民党「Manifesto2010」
共産党「参院選公約」
みんなの党「選挙公約」
新党改革「新党改革の約束2010」


表 主な政党の医療分野に関するマニフェスト

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