痤瘡(にきび)は、90%以上の人が経験するといわれる進行性の病変だ。毛穴開口部の角質が角化・肥厚し皮脂が詰まるのが初期状態(面ぽう)で、やがて皮脂の酸化、常在菌の過増殖によって炎症を来し、丘疹、膿ほうなどの炎症性皮疹に至る。
思春期特有の疾患と思われがちだが、慢性疾患であり、30歳代くらいまで症状が続いたり、治癒と再発を繰り返したりする例も少なくない。近年の人々の美容意識の高まりに従い、深刻に悩む患者も急増している。
ところが、日本におけるにきび治療はこれまで、欧米に比べ著しく遅れていた。特に海外では、30年以上前から使われているレチノイド(ビタミンAの誘導体)系の治療薬が日本では全く導入されていなかったため、皮膚科での保険診療では満足のいく治療が受けられず、エステティックや市販のにきび用化粧品などに頼る患者も少なくなかった。
日本で初めてのガイドライン策定
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