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島のモンスターペイシェント
土井基嗣(南大東診療所)

2010/04/07

 私には、島で苦手な患者さんが1人だけいます。診察のたびに大声で威嚇し、因縁や悪態をつけてくるのです。毎月のことなので、ある意味見慣れた光景ではありますが、その患者さんは日ごろから同様の態度のため、島内でも皆が知っており、待合室に緊張が走ります。他の患者さんが大勢いる前では特にエスカレートし、その患者さんの気持ちが落ち着くまで悪態は延々と続きます。

連載の紹介

離島医師たちのゆいまーる日記
沖縄県の離島診療所で働く、出身県も経験年数もさまざまな10人の医師が、診療だけにとどまらない日々の生活をつづります。「ゆいまーる」とは沖縄方言で相互扶助の意味。「ゆいまーるプロジェクト」は沖縄県の離島で働く医師たちが集う組織です。現在の執筆者は。「こちら
「ゆいまーる日記」が電子書籍になりました

 2009年から3年間、沖縄の離島で働く若い先生方に持ち回りで執筆していただいた「離島医師たちのゆいまーる日記」。連載のうち、選りすぐりの60本を再編集の上、電子書籍にまとめました。離島で1人で働く医師にはどのような役割が求められるのか、休みは取れるのか、家族はどうなるのか、島の人たちとの関係はどうなのか――。現場の話がぎゅっとつまった書籍となっています。

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