「Code Blue. University Hospital, 6th Floor, SICU, Surgery Service」(コード・ブルー。大学病院、6階SICU、外科)――。
深夜の病院に全館放送が響き渡ります。私の周囲に座っているレジデントやインターンのポケベルが一斉に鳴り響きます。ポケベルをのぞき込むと、全館放送と同じ内容のショートメッセージが表示されています。廊下をバタバタとレジデントや看護師が走っていきます。
私は、書きかけの入院カルテにペンを置き、息をつくと、重い腰を上げて彼らの後を追いました。私が憂鬱になるのには理由があるのです。
船頭多くして…病室からあふれる
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著者プロフィール
岡野 龍介
インディアナ大学病院麻酔科アシスタント・プロフェッサー
1962年ニューヨーク生まれ。1988年産業医科大学卒。1993年に新日鉄広畑病院で麻酔科を設立、手術室・ペインクリニック・救急部の設計に携わる。10年間勤務の後、渡米。2003年インディアナ大学病院麻酔科レジデント、2007年シンシナティ大学病院ペインフェローを経て、2008年より現職。米国麻酔専門医。趣味はサイクリング、料理、日曜大工、映画鑑賞など。
この連載のバックナンバー
2014/07/25
2013/08/07
2013/01/23
2012/08/20
2011/10/14