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コード・ブルーの憂鬱

2010/06/21
岡野龍介

 「Code Blue. University Hospital, 6th Floor, SICU, Surgery Service」(コード・ブルー。大学病院、6階SICU、外科)――。

 深夜の病院に全館放送が響き渡ります。私の周囲に座っているレジデントやインターンのポケベルが一斉に鳴り響きます。ポケベルをのぞき込むと、全館放送と同じ内容のショートメッセージが表示されています。廊下をバタバタとレジデントや看護師が走っていきます。

 私は、書きかけの入院カルテにペンを置き、息をつくと、重い腰を上げて彼らの後を追いました。私が憂鬱になるのには理由があるのです。

船頭多くして…病室からあふれる

著者プロフィール

岡野 龍介

インディアナ大学病院麻酔科アシスタント・プロフェッサー

1962年ニューヨーク生まれ。1988年産業医科大学卒。1993年に新日鉄広畑病院で麻酔科を設立、手術室・ペインクリニック・救急部の設計に携わる。10年間勤務の後、渡米。2003年インディアナ大学病院麻酔科レジデント、2007年シンシナティ大学病院ペインフェローを経て、2008年より現職。米国麻酔専門医。趣味はサイクリング、料理、日曜大工、映画鑑賞など。

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