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2型糖尿病患者のHbA1cはどこまで下げるべきか

2010/03/09

 糖尿病患者の血糖コントロールを示す指標として、HbA1cが広く使われています。しかし、HbA1cの値をどこまで下げればよいのか(下げれば下げるほどよいのか)については、いまだ議論があります。2008年に結果が発表されたACCORD試験[1、参照記事]では、HbA1cの目標値を6.0%に設定した厳格管理群でかえって死亡が増えたため、試験の一部が中止されました(参照記事)。一方、ADVANCE試験[2、参照記事]では、厳格管理群で心血管死亡および全死因死亡に有意な増加は見られませんでした。

 先日、HbA1cと死亡の関係について、オランダで行われたコホート研究が発表されたので読んでみました。

Landman GW, van Hateren KJ, Kleefstra N, Groenier KH, Gans RO, Bilo HJ. The relationship between glycaemic control and mortality in patiens with type 2 diabetes in general practice. Brit J Gen Pract 2010;60:172-5.(2010年3月号)

著者プロフィール

北澤京子(日経メディカル編集委員)●きたざわ きょうこ。1994年日経BP入社。専門分野は、医師患者関係、EBMなど。2006年9月から1年間、英国ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院に留学。

連載の紹介

北澤京子の「医学論文を斬る」
「専門用語や統計が頻出する英語の医学論文を手早く正確に読む際には、押さえるべきポイントがある」と語る筆者が、注目論文を批判的に吟味し、独自の視点で解説します。

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